九州大「起業部」顧問・熊野正樹さん 街を底上げ、活性化に貢献 – 産経ニュース

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 《平成28年6月、九州大准教授に就任した》

 九州大はアントレプレナーシップ(起業家精神)教育を推進してきました。アントレプレナーとは、事業創造の意欲に燃え、高いリスクに挑む経営者です。

 九大卒業後に渡米し、事業で成功したロバート・ファン氏の寄付によって、22年には起業家育成組織「QREC」(九州大・ロバート・ファン・アントレプレナーシップ・センター)ができました。

 大学独自に、米シリコンバレーへの短期留学プログラムもありました。

 起業を志す学生も増加傾向であり、「起業部」を設立することになりました。

 《起業家育成プログラムの進化に情熱を注ぐ》

 プログラムのうち、特に学生起業家への支援態勢を強化しようと考えています。

 今年8月、創業資金を集める一般社団法人「QUベンチャーズ」を設立しました。企業などから寄付金を募り、学生が試作品開発などに活用する仕組みです。

 試作品作りは大切なんです。ベンチャーキャピタルなどとの折衝でも、試作品がないと話にならない。

 また、最強のメンター(助言者)を50人集めました。内訳は起業家20人、ベンチャーキャピタリスト15人、弁護士や公認会計士など支援の専門家15人です。いずれも友人で、快諾してくれました。

 《九大起業部の拠点は福岡市だ。同市は26年5月、国家戦略特区「グローバル創業・雇用創出特区」に指定された》

 「スタートアップ(創業)都市」を目指す福岡市の高島宗一郎市長は、起業の大切さを理解されています。東京以外で、これほど理解している自治体はない。

 トップの市長が「グローバルな創業都市を目指す」とアナウンスを続ける効果は絶大です。徐々に、高島氏が思い描く姿に近づいてきている。

 市は今年4月、中心部にあった旧大名小学校を活用したスタートアップ支援施設「福岡グロースネクスト」を開設した。九大起業部では、この支援施設内に「部室」を置きました。

 企業は、種だけでは育たない。生態系のように一体的な支援が必要なのです。九大起業部も福岡市の流れに沿って、役目の一端を積極的に担いたい。そんな強い思いを持っています。

 若者が起業にチャレンジし、それを経済界が応援する仕組みができれば、街全体の底上げにもつながると思います。

 《子供向けの起業家教育も視野に入れる》

 最近は小・中学校でも起業家教育を始めていると聞きます。

 民間主催のプログラミング教室も開かれ、福岡市も子供向けイベントを開いている。こうした子供たちはいずれ大学生になる。起業部でロールモデルを増やし、「起業するならば九大起業部を目指す」という流れを生み出したいですね。

 日本では、まだ起業という働き方は少数派です。人口3億2千万人の米国では、毎年600万社以上が生まれている。比べて人口1億2千万人の日本は8万社です。世界的に見ると起業家が少ないのが現実です。

 政府が打ち出す成長戦略では、日本の開業率を5%から欧米並みの10%に引き上げる目標を掲げています。

 しかし、いまだに既存企業への就職という道を選ぶ学生が圧倒的に多い。一因は、正しい起業家教育がなされていないからだと思います。大企業に入っても安泰ではない時代です。起業をきっちり教えるのも大学の役割と思います。

 ベンチャーの聖地、米シリコンバレーにおける、スタンフォード大の役割は大きい。技術や人材供給の源泉です。「スタートアップ都市」と称される福岡市で、九大起業部が同じように重要な役割を担うことになるでしょう。これからも学生起業を通じて、九州の活性化にも貢献したいと考えます。 (聞き手 谷田智恒)





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