<法律お助け隊 加藤健次弁護士>建て替え予定の裏の家 「公道出る通路広げて」 – 東京新聞

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<お悩み> 夫が相続した実家の裏に親戚の家があります。もともと一つの土地でしたが、二つに分割しました。その際、親戚の敷地から公道に出るために幅約2メートルの通路を確保しました。他に公道にでる方法はありません。最近、その親戚が「建物を建て替えるために工事車両が通れるよう通路を広げてほしい」と求めてきました。どうしたらよいでしょうか。 (千葉・主婦 65歳)

◆通行範囲決め 交渉する手も

<お答え> ある土地が他の土地などに囲まれて公道に出ることができない場合、囲まれている土地の所有者は、周囲の土地を通行することを求めることができます(民法二一〇条一項)。この権利を囲繞地(いにょうち)通行権と呼びます。

 ご質問のように、土地の分割で公道に出られなくなった場合は、分割前の土地、つまりご主人の土地のみを通行できます。

 囲繞地通行権については、通行が認められるかという問題に加え、どの範囲で認められるかの問題があります。

 公道に出られさえすればよいという考え方に立てば、親戚の方は既に公道に出られますのでさらに通路を広げることは認められません。

 他方で生活上の便宜を重視して、自動車の出入りや家の建て替えができる程度の通路は不可欠だと考えれば、ご主人の土地の通行を一部認めるという考え方もあり得ます。

 実際に通行権の有無やその範囲が争いになった裁判例では、具体的事実関係に基づき、両者の利益を比較して判断しているのが実情です。

 現状の通路では再建築が許可されないという理由でより広い幅の通行権の確認を求めた訴訟で、最高裁は一九六二年に「土地利用についての往来通行に必要、欠くことができない」といえないとして通行権を否定しました。

 この最高裁の考え方によれば、工事車両が通行できるようにしたいという理由では、ご主人の土地を通行することは認められない可能性が大きいといえます。

 もっとも物理的に可能であれば、必要な通路部分を譲渡するとか、適切な使用料をもらって通行を認めるということも考えられます。その場合は、通行する範囲を確定しておくことが必要です。

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