「刑事事件」?「民事事件」? よく聞く裁判用語、何が違うの? 弁護士に聞いてみた – エキサイトニュース

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テレビニュースで「刑事事件」や「刑事告訴」のという言葉をよく耳にする。また「民事の裁判で…」という言葉も時々聞くことがあるのではないだろうか。なんとなく「警察がかかわるのが刑事…?」と思ってはいるが、では刑事と民事では何がどう違うのか、ちゃんと理解できてるいる人は少ないのでは? 「教えて!goo」では「民事と刑事の相違点」と題して質問が寄せられている。

■民事と刑事は一体何が違うのか

質問者は、民事と刑事の違いについて簡潔明瞭に回答を求めている。早速その回答を見てみよう。

「基本的に、刑法に載っていない不法行為を民事と捉えた方がわかりやすいかと思います。刑罰が無い不法行為は民事でしか裁けないということです。民事は金銭での解決がほとんどですから、ある意味罰金刑のようなつもりもあるかと思われます」(aries_a_doubleさん)

他の回答は、損害賠償が民事で法律に触れたものが刑事であるとするもの。交通事故と関連させ懲役になれば刑事、示談になれば民事とするものがあった。

■当事者の違いで民事と刑事に分類される。

民事・刑事双方に経験豊富な弁護士の清水陽平さんに聞いてみた。

まず、民事・民事事件とは何かについてだ。

「民事事件というのは、『貸したお金を返せ』、『不倫相手に慰謝料請求をしたい』、『解雇は無効だ』といった個人・法人同士の争いを指すものです。離婚や相続など家族間の事件は『家事事件』と呼ばれます、国や地方公共団体の下した処分を問題にするは『行政事件』と呼ばれますが、民事事件の一類型とされています。当事者間の話し合いで解決することもあれば、話し合いでは決着がつかず、裁判によって解決する場合もあります。裁判になった場合は、最終的に裁判所がどちらの言い分が妥当かを判断して判決をすることになりますが、判決の前に裁判上の和解という手続きにより裁判が終了することも多いです」

個人や法人が争いの当事者である場合が民事事件であるということだ。では刑事事件はどういうものなのだろう。

「刑事事件とは、窃盗、傷害、横領、名誉毀損などの犯罪行為を行った場合に、警察・検察が捜査を行ったり、取り調べを受けるものを指します。そして、検察官が起訴することにより刑事裁判が開始され、裁判所が有罪・無罪の判断をすることになります」

犯罪行為とは何かについて補足すると、刑法に規定されている犯罪に該当する行為を行った場合、その行為が犯罪行為となるとのことだ。

続いて民事と刑事の違いについても聞いてみた。

「まず、当事者が違います。民事においては個人・法人同士ですが、刑事では個人と国家(警察・検察)となります。民事では、対等な当事者同士が闘うわけですから、弁護士をつけず『本人訴訟』で裁判を闘うことも当可能です。刑事では、個人が国家に立ち向かう必要があるため、弁護士に依頼する権利が認められています」

国の機関である警察や検察、つまり国が一方の当事者となるのが刑事、人や法人など民間の者が双方の当事者である場合には民事となるということだ。刑事の場合、国と個人では証拠集めのための調査能力や裁判を闘ううえでの立証能力に大きな差があるので弁護士を付けられるのだ。

これ以外に民事と刑事ではどんな違いがあるのだろう。

「和解による解決が可能かどうかという点でも異なります。民事では、裁判を起こした後であっても当事者間で話し合いがつけば和解による解決が可能です。これが刑事では、国家との間で和解をするということはできません。起訴されれば、必ず有罪・無罪の判断をすることになります。なお。起訴前であれば、被疑者と被害者との間で示談をした場合には、検察官が起訴しないという判断をすることはあり得ます。ただし、これは国家と和解をしているわけではありません。あくまで被疑者と被害者の間での和解、被害者の処罰感情が減じている等の事情が考慮されて不起訴となるものです。

次に、民事・刑事ともに、裁判になれば主張の証拠となる事実を証明する必要がありますが、民事の場合は、どちらが言っていることがより真実らしいかを『高度の蓋然性』が認められる程度まで証明できればよいとされています。この『高度の蓋然性』というのは、やや難しい言葉ですが、「それが事実であるとほぼ推測できる」という程度のもので、100%事実の証明というわけではないところに注意してください。他方、刑事では、被告人が罪を犯したということを『合理的な疑いを容れない程度』まで、国側(検察官)が立証しなければなりません。この立証ができなければ、無罪となります。このように刑事では、被告人が自分の無罪を証明する必要はありません。検察が有罪と立証できなければ無罪となる点が民事との大きな違いです。このことは、『無罪推定の原則』とか『疑わしきは被告人の利益に』といった言葉で表されます」

犯罪行為を行うことはもちろん論外ではあるが、国による冤罪事件のニュースも聞こえてくる昨今だ。また、隣人との些細なトラブルが民事裁判に発展してしまうこともある。いざという時に慌てないように、知っているようで知らない法律知識は、機会を捉えて確認しておくのも有効ではないだろうか。

ライター 与太郎

相談LINE(Soudan LINE)





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