身近な人を亡くしたら…【相続編】 – 読売新聞

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 父が亡くなった後、葬儀の手配と並行して行っていた手続きがあった。一つは国民健康保険の資格喪失手続きだ。父の死によって資格が失われ、命日の翌日から保険証は使えなくなる。扶養家族になっていた母が心労で倒れて病院にかかっていたら、余計な手間や負担がかかってしまう可能性があった。父は金曜日に亡くなったので、月曜日の朝一番で役所に行き、母の新しい健康保険証を作ってもらった。二つ目は年金受給の停止である。手続きを怠って、父が亡くなった後にも年金を継続して受け取ることは不正になるからだ。

 この他、父は個人事業主だったので、所得税の準確定申告(4か月以内)、個人事業の廃業届(1か月以内)をしなければならなかった。これらは普段から姉が父の会社の経理・会計の仕事をしていたので円滑に処理を進めてくれたが、姉の存在がなければ、税理士にかなりの部分をお願いしないといけなかったと思う。様々な手続きを一人でこなすのは難しかっただろう。

 終末医療や葬儀にかかった費用の中には給付が受けられるものもある。だが、多くはこちらから働きかけないと知らせてくれない仕組みだ。父の場合、生前に受けた緩和ケアの高額療養費支給の対象になっていたので、その申請を行った。また、自治体から葬祭費の支給が受けられる制度もあった(国民健康保険の場合)。葬儀の領収書などが必要で、金額は自治体によって異なる。東京都江戸川区の場合は7万円だった。

 こうした手続きが一段落すると、相続の手続きに入る。そのためには故人の全ての財産、全ての相続人を把握しなければならない。父のノートにはその全てが書かれ、通帳や有価証券など、必要な書類を一つの箱に入れて“準備”してくれていた。もし、エンディングノートがなければ、家の中を引っかき回し、通帳などを探す必要があった。「どこに」「どれだけ」資産があるのかを把握しなければいけないからだ。借金などの負の遺産の有無も確認しなければならない。負債が多額の場合は相続放棄もできるが、期限がある。資産に関する情報や資料が整理してあることのありがたみを感じた。

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