金融庁:監査法人に「ローテ制」検討 厳格運用促す – 毎日新聞 – 毎日新聞

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各国の監査法人担当期間の上限



 金融庁は、会計不祥事の防止策として、監査法人を定期的に交代させる「ローテーション制度」の導入論議を開始する。東芝など企業の不正会計が後を絶たない中、企業と監査法人とのなれ合いを断つことで、厳格な監査を促すのが狙いだ。ただ、経済界では「コスト高につながる」などと抵抗が強く、激しい議論が予想される。

 金融庁は7月下旬に公表した報告書で、ローテーション制度の検討の意向を表明した。会計関係者の注目を集めたのは、報告書が2015年に発覚した東芝の不正会計問題を詳細に分析していたこと。新日本監査法人が前身の法人時代を含め約47年間にわたって東芝の監査を担当した点に言及し、「長期の監査で、東芝の企業統治への過信があり、不正を見抜けなかった」と断じた。関係者からは「公的文書でここまで個別事例に踏み込むのは異例で、金融庁の意思は相当強い」との声が上がった。

 監査法人と企業のなれ合いを防ぐ制度としては現在、公認会計士が一定期間で交代する制度がある。03年の公認会計士法改正で一定規模の上場企業を同じ会計士が監査できる期間は最長7年となり、さらに07年の改正で大規模監査法人の筆頭会計士が監査できる期間は5年に短縮された。

 今回の報告書は、会計士交代制度について「東芝の件で有効に機能していなかった」と指摘し、強化の必要性を強調した。

 ただ、経済界では抵抗感が強い。06年の審議会でも導入が議論されたが、引き継ぎや監査交代に伴うコスト増加などがネックとなり、見送られた経緯がある。国内上場企業の約4分の3の監査を請け負っているのが4大監査法人に限られることも交代を困難にするとの指摘もある。

 海外では、10年ごろから交代制導入論議が進み、欧州連合(EU)は14年に「原則最長10年」との規則を制定。ドイツ、イギリスなど各国で法制化が進んだ。ただ、名古屋商科大の小林伸行教授(財務会計)は「ローテーション制でなれ合いを排除できても、完全に不正がなくなるとは思えない。まずは企業側の会計倫理を向上させる取り組みが必要だ」と指摘している。【小原擁】






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