【猪瀬直樹×三浦瑠麗】メディアが注目していない『内閣改造』を語ろう … – ホウドウキョク

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3日に行われた内閣改造について、元東京都知事で作家の猪瀬直樹さんと国際政治学者の三浦瑠麗さんが、注目する閣僚や安倍政権の今後について聞き出す。(聞き手:NewsPicks佐々木編集長・ホウドウキョク阿部知代キャスター)

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阿部:
本日の内閣改造の顔ぶれを見てみましょうか。

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佐々木:
この内閣改造、どこに注目しましたか。

猪瀬:
私は斎藤健農水大臣に注目しています。河野太郎さんでも、野田聖子さんでもない。

斎藤農水相は石破さんから引き離された

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猪瀬:
ついきのうまで農林部会長だった小泉進次郎の前の農林部会長が斎藤健です。斎藤健が副大臣に昇格したことで、農林部会長に小泉進次郎が入りました。斎藤健が今度は農水大臣担った上で、小泉進次郎が筆頭副幹事長になったということで、基本的にこれは農業構造改革ラインだと思います。

安倍内閣では構造改革はあまりないんです。ここがポイントです。
斎藤健が一番やっていたのは農協の全国農業協同組合中央会の一般社団法人化です。農協は各農協が自由に活動できればいいわけで、農協中央会の監査権限を外して、各農協がそれぞれの公認会計士で監査をすればいいというところまでは来ています。

安倍内閣は、今回「反省内閣」と言われていますが、構造改革は石破ラインなんです。石破さんは農水の専門家で、斎藤健、小泉進次郎は石破派です。どういった期待をするか、今回の加計問題の反省と別に考えればいい。

佐々木:
斎藤さんは、もともと経産省にいらっしゃって「転落の歴史に何を見るか」という名著を書かれていたりしますね。

猪瀬:
農水省は予算が2兆3000億円あるところですが、農業生産高ってたった9兆円しか無いんです。2兆3000億円の金を使って、9兆円の生産高っていったい何なのこれって。そこにメスを入れないといけないんです。

予算は農業構造改善事業とか農業土木にかなりの額がかかっています。そうじゃなくて、いかに農業生産性を高めるかです。農業=1次産業だけと見るよりも、1次産業・2次産業・3次産業を合わせて敢えて6次産業という言い方もされているんですが、6次産業全体を合わせると100兆円の産業なんです。100兆円の産業だという位置づけをしていかないと、日本のGDPが伸びていかないし、農業が衰退の一途をたどっていくだけです。

三浦:
今月号のJAの雑誌に私の大型インタビュー企画が載っています。私は構造改革派なので、彼らが嫌がる人に対してインタビューをしようと気概は買いますが、大事なのはもっと別のことです。

JAはそもそも“組合のため”ということでできました。“組合のため”とは、戦前は大地主が土地を所有して小作人が耕し、地主がそのあがりをもらっていたという時代が、GHQの占領政策によって終わりを告げて、土地をみんなに配ったんです。そして、弱い小作人の人たちがみんなで組合を作り、これからみんなで頑張ろうというということでJAはできました。

その時代と、今の農協に加盟している組合員たちとはもはや違うものです。かつては小作人あがりの助け合わなければいけない人たち、今は彼らが3ちゃん農業(おじいちゃん、おばあちゃん、おかあちゃんによる農業)になってきていて、週末しかやらなかったり、自分たちの田んぼを新しい会社に貸し出し、そこからあがりを得るなどしていて、実際やっているのはサラリーマン的な小作人なんです。

新しい小作人が農業をやっている時代なので、その意識改革をしなければいけない時代です。組合は何のためにあったのかというところに議論を戻すと、農業を救うためには、農業をやっている人を支援しなければいけないというところなんです。その意味からすると、実力派の大きな歴史観を理解できる人が農水大臣になったのはすごく歓迎すべきことだと思います。

もう1点派閥のロジックからすると、石破派を1人入れていて、大きさから言うともちろん1人入れてもいい派閥なんですが、1番の石破さんの右腕を奪ったとも言えるわけです。

次回総裁選をやるとなると、岸田派から閣内に4人入れていて、逆に言うと4人も入れているわけですからその人たちは事実上の人質になってしまいます。これから憲法改正などを巡って、総理と政調会長の意見がずれてきた時、岸田さんが何かを言った時、岸田派の実力派4人がどんな行動をとるか。そういった意味でいうと、斎藤さんは石破派から引き離された感がありますね。

改憲がにじみ出た改造

佐々木:
三浦さんは今回の安倍政権を「安倍さんの改憲に向けた決意がにじみ出た改造である。メディアの見方が浅い」と言っていましたが、その真意は?

三浦:
権力維持のためにそうするんだろうなという布陣に見えます。世間的には、岸田派に配慮しましたという方が通りがいいですよね。岸田派を4人も入れて、しかも適材適所。普通に見ていると権力者の思考って読み解けないです。

凄く性格の悪い見方をすると、支持率が下がっている時は党内の力学が大事になるんです。支持率が下がっているけど、優位な野党はいないとなると、やはり党内をどれだけ抑えられるかが権力維持の基本の「き」です。

猪瀬さんは「結局四大派閥を抑えて、五大派閥が支える」と言っていますが、安倍さんを追い落とすこともせずに岸田さんが政調会長になったことをどう見ていますか?それしか選択肢がないのですか?

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猪瀬:
岸田さんには初めから期待していないからです。既成のメディアがダメなのは、「石破さんは経済政策がない」という言い方をする。そうじゃなくて、メディアが聞いてないだけなんです。
それと、石破さんは増税派というけれど、本人は増税派とは実際言っていません。安倍さんが増税派で「2%成長したら、消費税10%に」と言っていて、石破さんは同じことを言っているだけ。そういった前提を抜きにして、問題が整理されていません。

あと、加計学園の問題が解決されていないです。あえて、既成のメディアと違う言い方をすると、獣医師が足りているか、足りていないかという議論を全然していない。実は、私は獣医師は足りていると思っています。

農業構造改革問題と関係があって、そもそも50年前には農業生産人口は1300万人いました。15年前は500万人、今は200万人にまで減っています。それに合わせて獣医がいたので、50年間獣医学部を作らなくてよかった。獣医は農家向けから六本木のペットクリニックなどに移っていますから。

基本的には1300万から200万になったわけですから、獣医がだぶついています。ペットブームだから獣医はペット用の獣医になる方を選びます。加計学園が四国に獣医学部つくっても、卒業生が四国に行くかは別の問題ですよね。むしろ、作るなら四国に残るインセンティブを与えないといけない

今のところ、160人の学生募集に対して地元枠は20人しかいないんです。さらにその地元枠のインセンティブは授業料半額というだけです。卒業してその半額返して、どこかに行ったら四国には残りませんよ。今はどういう規制、どういうインセンティブを作るかの議論がされないで、獣医学部が必要か必要じゃないかの話になってしまっています。

獣医は足りています。総数は足りていても、いるべきところにいないということが問題なんです。いるべきところにいるために、どうすればいいかをやっていないんです。そういう切り口がないというのが一番の問題ですね。

三浦:
ペット業界は完全に自由参入で、ペットの医療代が高止まりしているのを下げてしまう手とかもありますね。猪瀬さんが言ったような、本当に獣医が必要なところは国家戦略として公務員を配置するという手もあります。加計問題は、官邸が規制緩和側だけど、その規制緩和が十分じゃなかった結果として、加計学園だけになってしまい、さらにお友達だったから叩かれている構図。中途半端な人が官邸にいると思います。

猪瀬:
中途半端な構造改革しかしていないですよね。安倍さんは総理大臣なんだから、獣医学部1つ作るのなんて簡単ですよ。それすら指導できていなかったと私は見ています。

憲法改正という歴史的使命を完成させるための布陣

三浦:
改憲の話でいうと、今メディアが2つに割れていると思います。

一方、今回の内閣の布陣を見ると憲法改正するとしか思えないんですよね。

基本的には外務・防衛は手堅いハト派の派閥です。憲法改正をやるならば、防衛大臣が答弁でミスをしたりすることはあり得ないことです。官僚答弁ができる人をおいて、ハト派ブランドを使う。岸田さんを政調会長にしたのは、岸田さんが自民党の憲法改正案をまとめるわけではないですが、見ていく過程で、高村さんがまとめたものを完全に覆すことはできない。岸田さん達が党内で練り上げられた9条改正論に対して、ちゃぶ台をひっくりかえるようなことをしたら、大変なことになる。

今の党内の雰囲気でいけば、石破さんが批判を繰り広げているところが非難されているところがあります。党内からは裏切りだといった雰囲気があるんです。サプライズではなく、党内の力学でおさめれる布陣にしたのは、この内閣の歴史的使命を完成させるためです。

厚労相に加藤さんを持ってきているのは素晴らしいことですが、塩崎さんみたいに官僚と完全に喧嘩をするとは思えません。逆に厚労省は官僚の力が強いところで、官僚の力を制限する族議員がいないということは深刻です。一般的には知られていないことですが、医療関係者は必ず「改革をしようとすると厚労省が阻む、なぜなら族議員がいないから」と言いますよ。

族議員というと利権の温床のイメージが強いのですが、それだけではありません。加藤さんという安定した人を持ってきたのは、着実な何かを改革してくださいということです。外様を持ってきて苦労させるか、安定した実力派を持ってくるかで重点政策が変わります。

なぜ稲田さんを任命したのか。安倍首相にあって小池都知事にないものを解説した動画はこちら
https://www.houdoukyoku.jp/archives/0029/chapters/29025





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