ハイブリッド弁護士のお悩み相談「店員を暴行罪で訴えたい」 – BIGLOBEニュース

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本誌のドキュメンタリーページ『シリーズ人間』に登場し、「あのキレイだけど押しの強い弁護士はナニモノ?」と、巷をにぎわせた仲岡しゅん弁護士。その正体は、男性として生まれ、数年前に女性に「トランス」した男と女のハイブリッド弁護士!大阪生まれ、大阪育ちの若き闘士は、悪を許さぬ正義感と、美貌に似つかぬ義理人情を盾にして、法律を武器に日々奮闘中。そんなハイブリッド弁護士がトラブルをシュッと解決!

【今回の相談】「スーパーで買い物をしていたとき、品出しをしていた店員のお尻が私の手元にぶつかり、持っていた納豆のパックを落としてしまいました。幸いケガはなく、店長にも謝らせましたが、おわびの品もなく誠意を感じられません。憤って慰謝料を請求すると、まるでクレーマー扱い!店を暴行罪で告訴できますか?」(50代女性・パート)

【回答】「はっきり言いましょう。貴女はクレーマーです。そのことをよく自覚なさい」(仲岡しゅん)

今回のご相談。「まるでクレーマー扱い」されたとのことですが、はっきり言いましょう。貴女はクレーマーです。そのことをよく自覚なさい。慰謝料なんてもらわれへんからやめときなさい!と、これだけで終わっては身もフタもないので、まずは法律論を展開いたしましょう。

貴女は店員さんのお尻がぶつかったことをもって「暴行罪」で処罰できるかとお尋ねですが、そもそも暴行罪とは何でしょうか。暴行罪(刑法208条)でいう「暴行」とは「人の身体に向けられた不法な有形力の行使」のことです。えらい難しい言い回しですが、殴った、蹴った、どついた、しばいた以外にもバリエーションはかなりあります。これまで裁判で「暴行」として認められた例をいくつかご紹介しましょう。

「髪の毛を切った」「部屋の中で日本刀を振り回した」「耳元で太鼓を打ち鳴らした」「顔や頭に塩を振りかけた」。過去の判例によると、これらはいずれも「暴行」に当たります。実際に体に手や武器などが当たっていない場合も含め、けっこう広く「暴行」になるわけですね。しかし、暴行罪が成立するためには「故意」、つまり、「わざと」やったことが必要です。

その点、スーパーの店員さんは「たまたま」お尻がぶつかっただけですから、「わざと」ではありませんわね。そうすると、暴行罪にはなりません。このように、法律論としては「暴行罪にはなりません」としか言いようがないのですが、そもそも、こんなことで慰謝料を請求しようという考え自体が、わたくしには「浅ましい」としか思えません。

こんなことで何度もお店にクレームの電話をしたり、お店に行って長時間文句を言ったりして迷惑をかけた場合、逆に貴女のほうが威力業務妨害罪(刑法234条)に問われかねませんよ。

どうも、「お客様は神様です」と誰かが言ったせいなのか、ただの客である自分を神様のようにエライと勘違いしているクレーマーが、少なくないようですわね。でも、神様らしいこともしてないのに、神様扱いを求めるというのは、筋違いな話じゃありませんこと?客は神様ではなく店と対等な「買い手」にすぎないことを、ご自覚なさったらどうかしら。

神様扱いしてほしいなら、まずは天地を創造してからにしなさい。わたくしは、そう思います。






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