東京新聞:子の扶養は共働き夫婦どちらに? 税制上の有利、不利なし … – 東京新聞

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 夫婦で働いている愛知県の四十代女性から、「子どもは夫婦どちらの扶養にした方がいいのか」と本紙に質問が寄せられた。昔は夫が家族全員を養うのが一般的だったが、働く女性が増えた今は事情が違う。さて、どっちの扶養にするべきか?  (寺西雅広)

 女性は二〇一五年十二月に長男を出産。それまでの年収は約八百万円で、五歳年下の夫の倍近かった。市役所からは「一般的に子どもは年収が高い方の扶養に入れる」と説明され、自身の扶養に入れた。

 しかし、女性は出産直前の十一月から産休と育休を取っており、収入は出産手当金や育児休業給付金など。会社の規定では月一万一千円の扶養手当が定められていたが、育休中は無給のため手当は支給されなかった。一方、夫の会社でも月一万円の扶養手当が定められており、「夫の扶養にしていれば、夫の会社から扶養手当をもらえたのでは」と話す。

 実際、どちらがいいのか。扶養には「税制上の扶養」と「社会保険の扶養」の二つある。税制は所得税と住民税で扶養控除があるが、税理士の石原幸司さんは「十六歳未満の子どもなら、今は夫婦どちらの扶養にしても扶養控除の対象ではない」と話す。

 理由は、二〇一〇年度の税制改正で十六歳未満の子どものいる納税者に適用されていた「年少扶養控除」がなくなったからだ。それまでは子ども一人につき所得税三十八万円、住民税三十三万円が控除されていたが、子ども手当(現児童手当)の導入にあわせて廃止。結果、夫婦どちらの扶養でも損得はなくなった。ただ、住民税には非課税枠があり、所得額が低いと十六歳未満も含めた扶養親族の人数に応じて課税されないケースもある。

 一方、児童手当は中学生までの子どもが支給対象。一人あたり一万〜一万五千円が支給されるが、所得制限を超える場合は一人あたり五千円となる。夫婦いずれも仕事をしている場合は所得が高い方が受給者となり、「夫は所得制限を超えているが、妻は制限内だから」などと選べない。

 社会保険はどうか。子どもが生まれて会社に報告すると、会社は健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)に「被扶養者届」を提出して子どもを扶養家族にする。一般的に健康保険組合の方が補助制度が手厚いが、夫婦で収入が異なる場合、子どもは高い方の被扶養者とするのが原則。今回のように妻の収入が倍近いと、夫の被扶養者にしたくても認められない可能性が高い。

 ただ、今回、女性の育休中の収入は育児休業給付金が主で夫より少なかった。社会保険労務士の戸崎昇さんは「仕事に復帰するまで夫の扶養家族にできた可能性はある」と話す。

 注意したいのは、会社から「扶養手当」が支給される場合。一般的に会社の就業規則で支給対象となる子どもを「税法上の扶養家族」「健康保険上の被扶養者」などと定めており、申告状況によっては受給できなくなる可能性がある。また、世帯主に対して支給する会社も多く、仮に子どもを妻の扶養に入れても夫が世帯主であれば、いずれの会社からも扶養手当がもらえないケースもある。

 今回は夫の会社で扶養手当の支給条件が「健康保険上の被扶養者」などと定められているなら、育休中は夫の被扶養者にしていた方が「お得だった可能性がある」と戸崎さん。ただ、実際にどちらがいいかは個々の状況で変わる。石原さんは「きちんと試算しないと簡単に言えない。会社や専門家に確認を」と話す。

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