成年後見見直し もっと利用促す制度に – 北海道新聞

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 認知症などで判断能力が不十分な人を支える成年後見制度について、政府が利用促進を図る基本計画をまとめた。

 後見人のほかに医療、福祉関係者などが関わる地域連携ネットワークを各地に整備するのが柱だ。財産管理などで利用者の意思を尊重する体制の強化を図り、後見人の活動もサポートする。

 今後5年をかけて具体化を進め、必要な法整備も行う。

 認知症の人は500万人以上と推計され、2025年には700万人に達する。後見人の役割はさらに広がる。それに見合う制度にするため、政府には政策の点検と、多角的な議論を求めたい。

 基本計画策定の背景には、制度を取り巻く環境の変化がある。

 高齢者らが経済的に不利益を受けないようにする成年後見は00年、身体的サービスを受ける介護保険と同時に導入された。

 高齢者対策の車の両輪と位置づけられたが、利用者は介護保険が500万人を超えているのに、成年後見は20万人に満たない。

 開始当初は後見人の9割が親族だった。しかし身内に頼れない高齢者が増えて、現在は親族は3割にすぎず、残りの多くを司法書士、弁護士、社会福祉士などの専門職が担っている。

 今後、単身高齢者が増えることを考えれば制度の必要性はさらに高まるが、専門職は限りがあり、なり手不足も懸念されている。

 そこで求められるのが、一般市民が務める市民後見人の育成だ。

 地域連携ネットワークで、市民後見人を支える体制を構築できれば、引き受ける人が増えることも期待できよう。

 そのためには、就任しやすい制度づくりなど、丁寧な設計とともに、政府や自治体によるPR活動も欠かせない。

 気になるのは、後見人による財産の不正利用がしばしば問題になることだ。一時よりは減ったが、昨年の総額は26億円に上る。

 これでは、あらぬ疑いをかけられるのを嫌う市民が、担い手から遠ざかることになりかねない。

 大切なのは、利用者のプライバシーに配慮しつつ、透明性を確保することだ。金融機関も関わるなど、預貯金の引き出しでは二重、三重のチェックが望まれる。

 その点でも複数の人が関わるネットワークの利点を生かしたい。

 ネットワークづくりの中核になる市町村には、利用者と後見人の橋渡し役として、きめ細やかな対応が期待されよう。

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