熟年離婚で夫婦どちらも「老後ビンボー」に! – 日経ビジネスオンライン

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大江英樹(おおえ・ひでき)氏
経済コラムニスト。1952年、大阪府生まれ。大手証券会社で個人資産運用業務、企業年金制度のコンサルティングなどに従事。定年後の2012年にオフィス・リベルタス設立。写真:洞澤 佐智子

 長年の会社勤めを終えてようやく定年退職を迎える、今日が最後の出社日。終業時刻になって最後にみんなに拍手と花束で見送られ、職場を後にする。どこの会社でも見受けられる定年の日の光景です。ちょっと寂しいような、それでいてちょっとホッとしたような気持ちで家路に向かう。

 そして家に着いて妻と2人でグラスを交わし、しみじみとそれまでの人生を振り返る。やがて食事も終わり、後片付けをした妻が、新聞を読んでいる自分のところにやってきて1枚の紙を差し出す。何かと思って目をこらすとそれはなんと「離婚届」! 夫の顔に衝撃が走る。こんなドラマのような話が、巷では結構増えているようです。

 2005年に渡哲也さんと松阪慶子さんが主演したテレビドラマ『熟年離婚』は平均約20%という高視聴率を上げ、熟年離婚という言葉が流行語にもなりました。

 事実、厚生労働省の人口動態調査によれば、1990年代に全ての世代で上昇した離婚率は、2000年代以降、婚姻期間10年未満の層で減少に転じたのに対して、婚姻期間20年以上の層では横ばいが続いているのです。

 長年連れ添った夫婦が離婚をするのですから、他人にはうかがい知れない様々な思いがあることでしょう。周囲がその是非をとやかく言うべきではないということは確かですが、ごく一般的に考えた場合、少なくとも老後の生活ということで見れば、熟年離婚には2つの大きな問題があると思います。1つはお金の問題、そしてもう1つは生活の問題です。

経済的には決してプラスにはならない

 まずはお金の問題ですが、先に結論から言ってしまうと齢をとってからの離婚というのは経済的には決してプラスにはなりません。離婚に絡むお金として、具体的に慰謝料や財産分与、そして年金といったところから見ていきましょう。

 慰謝料というのは結婚している相手方の不当な行為によって精神的苦痛を受けた場合に、その償いとして請求できるお金のことを指します。したがって離婚の場合に常に慰謝料が生じるとは限りません。精神的苦痛というのは不貞行為であったり、DV(家庭内暴力)であったりといったことが一般的ですが、他にも慰謝料を請求できるケースはあるでしょう。

 私は法律の専門家ではありませんから詳しいことはわかりませんが、よく芸能人が慰謝料を何千万円も貰ったという話がありますが、あれはもちろん一般的なことではありません。結婚していた期間と責任の度合い、それに相手の経済力によって変わってきます。社会保険労務士の井戸美枝さんによれば、20年以上の結婚期間があっても慰謝料は300万円程度もあれば多い方だそうです。

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