介護施設で事故が起きたら…弁護士会が手引出版 – 読売新聞

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 介護施設で起きた高齢者の事故を巡り、大阪弁護士会の高齢者・障害者総合支援センターが、利用者側が施設側を相手に起こした裁判事例を分析した手引書の作成を進めている。主に弁護士向けだが、利用者や家族にも参考になる内容で、同弁護士会は「介護は誰もが直面する問題。万一の時に備え、役立ててほしい」としている。

 「介護事故を考えることになったら読む本」(約200ページ)で、今春の出版を予定。同センターが1996年からの20年間に全国の地・高裁で言い渡された判決95件を集め、分析した。うち49件で施設側に損害賠償が命じられている。

 事故の内容は、転倒(28件)、誤嚥ごえん(26件)、ベッドからの転落(14件)など。施設職員が誤って他の入所者用の薬を服用させたケースもあった。

 介護事故を巡る訴訟では多くのケースで、施設側が注意義務を果たしたかどうかが争点になる。手引書では、裁判所がどのように判断したのかを解説した。

 介護施設で、80歳代の男性がベッドのそばで転倒し死亡した事故の判決(2012年)は、男性が2週間前にも同様に転倒していたことを挙げ、「施設はベッドにセンサーなどを設置すべきだった」と注意義務違反を認め、約3400万円の賠償を命じた。

 一方、80歳代の女性が転倒し、重傷を負った事故の判決(12年)は「過去に女性が転倒したことはなく、職員は予測できなかった」として、女性側の訴えを退けた。

 こうした事例を踏まえ、手引書では、万一の時にトラブルにならないよう、〈1〉介護にあたり注意すべき点を、施設に正確に伝えておく〈2〉職員の配置状況を把握し、連絡などはメモをして疑問があれば問い合わせる――などとアドバイス。提訴する場合には、施設側が自治体に提出した事故報告書などを事前に入手することを勧め、介護福祉士など第三者の意見も参考にすべきだとしている。

 介護事故を巡る訴訟数の統計はないが、法曹関係者によると、近年増加しているという。同センターの森本哲平弁護士は「本人や家族は『施設にお世話になっている』と思いながらも、施設の対応への不信感から訴訟を起こすケースが多い。双方が日頃から疑問点を話し合うなどコミュニケーションを密にすることが大切だ」と話している。

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