弁護士に注目するとトランプ政権「真のキーマン」が見えてくる – 現代ビジネス

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ドナルド・トランプが大統領となってから1か月が経とうとしている。政権メンバーが続々と明らかになるなか、投資銀行出身者や元軍人が政権中枢にやたらと目立つことが、マスコミの格好のネタになってきた。一方で、懐刀のマイケル・フリン大統領補佐官が辞任するなど、早くも政権の「ハリボテ感」が露呈しつつある。

東大法学部を主席で卒業、財務官僚を経て米ハーバード・ロースクールに留学、米国の司法試験にも合格した経歴を持つ山口真由氏は、トランプ政権で最も注目すべきポイントは、じつは投資銀行出身者や元軍人たちではなく、現役の個性豊かな弁護士たち(なかには明らかにトンデモな輩も……)が、政権の行く末を左右する重要なポストに配置されていることだと指摘する――。

「トンデモ」弁護士が目立つトランプ政権

まずは、現時点で明らかになっている、トランプ政権内の弁護士たちを見てみよう。

駐イスラエル大使に指名されたデイビッド・フリードマンは、極端にイスラエル寄りのユダヤ人弁護士。彼は言ってみれば「トランプ政権の火薬庫」だ。味方のはずのユダヤ人までもが、人事撤回の署名を提出したと聞く。

米通商代表部(USTR)代表に指名されたロバート・ライトハイザー弁護士は、保護貿易主義と中国批判で知られる。証券取引委員会(SEC)委員長のジェイ・クレイトン弁護士は、投資銀行や大企業に露骨に肩入れし、「ウォール街の守護神」とされる。

司法長官のジェフ・セッションズには、「人種差別」を理由に判事になりそこねた過去がある。労働長官候補に挙がっていたアンドリュー・パズダーも弁護士経験者だが、不法移民を雇っていたことや、元妻へのDV疑惑などが相次いで発覚。指名を辞退している。

とりあえず、トランプからラブコールを受けた弁護士たちが、従来の政権に比べて「超個性派」揃いであることは間違いなさそうだ。

日米でまったく異なる弁護士事情

トランプ政権における弁護士の存在感を理解するために、まずは、アメリカと日本における弁護士の違いについて知っておく必要がある。

私は、東京大学法学部を卒業後、国内の法律事務所に勤務し、米ハーバード大のロースクール(法科大学院)を経て、2016年に米ニューヨーク州の司法試験に合格した。その実体験として、アメリカと日本の弁護士事情はずいぶん違うと感じる。

まず、「アメリカは弁護士が多い訴訟社会で、日本は弁護士に頼らずに争いを解決しようとする」とよく言われるが、これははたして正しい認識だろうか。

答えは「イエス」だ。

2016年の数字で比較すると、アメリカで弁護士登録している人数は130万人強。日本は近年弁護士が増えたと言われれるが、それでも3万7000人程度。じつに30倍以上の開きがある。だが、この単純比較は、ややミスリーディングだろう。

日本の弁護士の社会的地位は、いまだに押しなべて高い。「弁護士」という肩書きだけである程度の信用を得られ、収入もそれなりに安定している。しかしアメリカでは、「弁護士」の肩書だけで、信用や収入が得られるとは限らない。

日本の場合、法律に関わる職業は、弁護士以外にもたくさんある。4万2000人の行政書士、1万9000人の司法書士、1万人の弁理士がいる。対するアメリカでは、日本の行政書士や司法書士、弁理士が行う業務を、すべて弁護士が引き受ける。

業務の幅が広いぶん、弁護士間の格差も開く。ウォール街で数億を稼ぎ出す人もいれば、田舎で少額訴訟にだけ関わって一生を終える人もいる。





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